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会報 詳細【ニュースレターNo.83】 - 一般社団法人 日本計量生物学会

会報 詳細

国際計量生物学会会長からの礼状

柳川 堯(日本計量生物学会会長)

毎年,途上国援助のための特別会費徴収にご協力くださり有難うございます。国際計量生物学会のBreslow会長から,7月11日に日本計量生物学会宛に途上国援助に対する礼状が届きましたので,紹介致します。

11 July 2003
Dear Takashi:
On behalf of the entire membership, we thank you very much for supporting the IBS Travel Grant Program with your generous donation of US$3000.
Many of the statisticians from developing countries have little opportunity for personal exchange of information with their colleagues. Many are eager to attend the IBC but have limited or no funds to do so. We thank the Japanese Region for Supporting this program
With kind regards,

Norman Breslow
IBS President

cc: Hirohisa Kishino

途上国援助につきましては,日本計量生物学会主催のチュートリアルなどの収入も利用しています。薄謝で,チュートリアル講演を快諾してくださっている講師の皆様にも改めて感謝申し上げます。

メーリングリストJBSの開設

三中信宏(メーリングリスト担当理事)

日本計量生物学会では,学会員に参加者を限定したメーリングリストを新規開設します.このメーリングリストの趣旨は下記の通りです.ご賛同いただける会員のみなさんの参加を呼びかけます.

1.メーリングリスト開設の趣旨
計量生物学会理事会において,年次大会や計量生物シンポジウムなどの立案時に,会員の意向を反映した適切なテーマを絞り込むには,理事会と一般会員との間で双方向の意見交換ができるような「場」が必要だろうという意見が出ました.対面して意見を交わす場は大会やシンポジウムという限られた機会しかありません.しかし,インターネットを利用すれば,そういう制約からは解放されるだろうということで,学会員から構成されるメーリングリストを開設してはどうかということになりました.

.メーリングリストとは
  メーリングリストとは,インターネット上に開設されたグループで,そこに投稿されたメールは登録された全員に配信されるというしくみです.電子メールを利用できる環境があれば,どなたでもメーリングリストに参加できます.

3.メーリングリストの目的
生物統計学や医学統計学については,すでに既存のメーリングリストがあります.たとえば,BIOMETRY(生物統計学メーリングリスト)あるいはMedStat(医学統計学メーリングリスト)がすでに何年もの活動を続けています.統計学に特化した掲示板もあります.今回開設しようとするメーリングリストは,これら既存のものとの競合を望んではいません.あくまでも日本計量生物学会の学会員限定というメリットを活かせるような情報発信と意見交換のできる場をもくろんでいます.学会の公式企画の立案のための場としてはもちろんのこと,生物統計学に関わるさまざまな質疑の場としても,今回のメーリングリストを利用していただければと考えています.

4.メーリングリストの名称,投稿先,管理者
このメーリングリストの名称は〈JBS〉です.投稿先は

JBS@ml.affrc.go.jp

です.メーリングリストの筆頭管理者は三中信宏(JBS-admin@ml.affrc.go.jp)です.このメーリングリストは農林水産省研究計算センターにあるメーリングリスト専用のメールサーバーに置かれています.

5.参加申込み
このメーリングリストに参加されたい方は「氏名/ローマ字綴り/ご所属」を明記の上,三中信宏
(JBS-admin@ml.affrc.go.jp)までご連絡下さい.登録処理がすみしだい,お知らせいたします.

2003年度統計関連学会連合大会

岩崎 学(連合大会企画委員長)

標記大会が,日本計量生物学会および応用統計学会と日本統計学会の主催で行なわれます(協賛:日本行動計量学会,日本計算機統計学会,日本分類学会).

1. 連合大会会場
   名城大学 天白キャンパス
    〒468-8502 愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501 電話 052-832-1151(代)
    (大会受付は共通講義棟1階)

2. 連合大会日程

・チュートリアルセミナー 9月2日(火)
  13:30-16:30
・市民講演会  9月2日(火)
  17:00-19:00
・研究報告会   9月3日(水)
  8:50-19:40  
9月4日(木)
   8:50-17:30
9月5日(金)
   8:50-17:30
・懇親会(日本行動計量学会と合同) 9月4日(木)
  18:00-20:00

             
3. 連合大会参加費(当日徴収)
(a) チュートリアルセミナー(含資料代):
         会員・学生2,000円,非会員4,000円

(b) 市民講演会:無料

(c) 研究報告会(含報告集代):
会員3000円,学生1000円,非会員10000円

(d) 懇親会:5,000円

4. セッション案内
特別講演セッション3件,企画セッション12件を始め多くの一般セッションが予定されています.また,コンペティションとして研究経験の浅い会員によるセッションも行なわれます.詳しくはプログラムをご覧下さい.
5.  チュートリアルセミナーと市民講演会
チュートリアルセミナーは次の2テーマを並行開催します。
  テーマ1(B会場):官庁統計の理論と実際
  テーマ2(A会場):実験研究および観察研究における偏りの調整

市民講演会「教育と統計」の講師は、吉村 功(東京理大・工)、馬場国博(慶応義塾湘南藤沢中高等部),林 篤裕(大学入試センター)です。チュートリアルセミナーおよび市民講演会の詳細は連合大会ホームページ
http://www.soec.nagoya-u.ac.jp/htm/staff/nemoto/gakkai/
に掲載されています.チュートリアルセミナーに参加を希望される方は,2003年7月14日~8月25日に連合大会のホームページ上の

http://www.jss.gr.jp/meeting/2003/tutorial/

にてお申し込みください.電子メール,FAXもしくは郵送で申し込まれる方は,「氏名,所属,連絡先住所,電子メールアドレス,出席テーマ名,(会員,非会員,学生)の別」を担当委員(岩崎)まで上記期日内にご連絡ください.なお,受講料はセミナー当日会場にて徴収させていただきます.

6.ソフトウェア展示セッション
  テーマ:統計ソフトウェアの近未来
      株式会社数理システム,
      エス・ピー・エス・エス株式会社,
      日本電子計算株式会社,
      SAS Institute Japan株式会社
      統計数理研究所
. 懇親会(日本行動計量学会と合同)
  会場:名城大学タワー75,
       15階レセプションホール

2003年度日本計量生物学会シンポジウム一般講演座長報告

2003年5月27日、統計数理研究所において日本計量生物学会シンポジウムが開催されました。一般講演について、座長をお願いした先生方からコメントを頂戴いたしましたので、掲載いたします。

一般講演Ⅰへのコメント
                                          牛嶋 大((財)癌研究会ゲノムセンター)

1.1 非線形回帰モデルを用いたEC50の比較
    (中外製薬 高橋行雄氏)

反応がシグモイド状の曲線となる場合に生物検定法の“平行線検定法”がよく行われるが、本講演ではこれと同様な方法で、効力比とその95%信頼区間を求めるためにダミー変数を含む非線形回帰分析を適用し解析された。非線形回帰の場合には、50%の反応(EC50)となるような用量log(x)を直接推定(逆推定)できる。そこで、ダミー変数を2群間のEC50の差を直接推定するように設定することにより、それらの推定値のantilogから効力比の推定とその95%信頼区間を求めることが容易にできることを示された。

1.2 層別因子がある場合のランダム化にもとづく因果効果の推測
    (京都大学 松井茂之氏)

層別因子を伴うランダム化試験において、割り付けられた治療法の不遵守(ノンコンプライアンス)があるとき、ノンコンプライアンスの状況が層間で異なるのが通常である。それに対して本講演では、層毎のノンコンプライアンス情報を利用した層別解析の方法が提案され、これがコンプライアンス情報を利用しない従来の方法よりも推測効率が高いことが示された。

1.3 Alloyed gold standardを用いた誤分類の調整法
    (京都大学 千葉康敬氏他)

本講演ではGold standardとして採用される指標がalloyed gold standardであるときの誤分類の調整法が提案された。バリデーション研究で真の曝露に基づく感度と特異度を推定するために、曝露の真の人数を欠測データとみなしてEMアルゴリズムを適用するというものである。これにより、オッズ比の推定値から感度と特異度の推定に伴うバイアスが除去されることが示された。



一般講演Ⅱへのコメント
                                      大谷敬子 (JBIC)

2.1 薬効評価における分布調整平均の利用
     -民族間類似性評価へのアプローチ-
     (日本イーライリリー 上坂浩之氏他)

新医薬品の承認申請に外国で実施した試験結果が利用することができる.その際,結果の地域間比較が行われる.反応に対して大きく影響を与える共変量が1つ存在する時に,反応-共変量関係には地域差がないのに,共変量分布の地域間における偶然による相違が,反応の地域差に繋がる場合を想定し,両地域の共変量の分布を同一と仮定して反応変数の期待値を推定する,疫学で用いられる標準化を応用した「分布調整平均法」という方法を提案した.また,分布調整平均値の性質が,シミュレーション実験により明らかにされた使用時の注意点と伴に報告された.

2.2 標本に基づく花粉輸送距離の最尤推定
    (東京大学 宮口聡明氏他)

多型マーカーに基づく父性解析により、有効花粉輸送距離を推定することができる。本報告では、種々の調査方式に適応可能で、花粉親同定の不確実性も考慮に入れた、有効花粉輸送距離の最尤推定法を提案した。全長450kmのウガブ河の下流域250kmで調査されたイチジクFicus sycomorusについて、本手法の有効性を確かめた。79の成木の葉と129の種子について6マイクロサテライトの遺伝子型が調べられたが、花粉親が特定できた種子は49であった。解析の結果上流域に標本の1.5倍親個体が生息すると推定され、平均花粉輸送距離の最尤推定値は90.6kmと、確定した親子間の平均距離70kmを大きく上回った。

2.3 揺らぎ構造を伴う多段階発がんモデル
    (放影研 和泉 志津恵氏他)

生物数理揺らぎモデルの幾つかの所見を調査した。ここでは、2つのタイプの不均一性:1) 個々の線量反応、2) 個々のベースラインを、単一な瞬時の放射線被曝の線量-年齢効果を説明する大瀧らが提案したアーミテイジ・ドールのタイプのモデルに取り入れることを考えた。我々は、これらの不均一性のためガンマ及び逆ガウス揺らぎモデルを導きだし、日本の原爆被爆者のがん罹患データを用いてモデルを調べた。被曝の過剰相対リスク、揺らぎの大きさ、モデルの適合度を評価したところ、不均一性は小さいが、揺らぎモデルによってデータへの適合度は向上したと、データ解析の結果は示した。従って、この年齢-線量効果モデルを用いた今回の研究の結果は、生物数理モデルに基づくがん研究に役立つと考えられる。

2.4 他殖性生物のQTL解析: 遺伝的アルゴリズムとSimulated EMアルゴリズム
     (東京大学 中道 礼一郎氏)

量的形質遺伝子座(QTL)検出問題に関して、対象生物の繁殖様式や高度に設された交配実験に依存しない、一般的な解析手法を提案する。QTLの数と位置を仮定すれば、遺伝効果を最尤法で推定し、最大尤度でモデルを評価できる。尤度を最大化するQTLの数と位置の探索法として遺伝的アルゴリズム(GA)を用いる。その際、マーカー対立遺伝子継承の観察値が不完全となるため、周辺情報から求めた条件付確率に従うシミュレーションで推定する。欠測値の推定は尤度計算の度にやり直し、推定値を更新する。これにより、従来のように解析手法の制約にあわせて実験を設計するのではなく、実験の都合にあわせた解析手法構築が可能となった。

2003年度日本計量生物学会総会

岩崎 学(庶務理事)

2003年5月27日12時から12時40分まで統計数理研究所講堂において日本計量生物学会総会が開催されました。出席者数が定足数を満たして総会が成立していることが確認され,柳川会長を議長として以下の議事が進行しました.

議 案:
1.2002年度活動報告,決算報告
岩崎庶務理事より以下の活動報告がなされた.
(1) 年次大会
2002年度年次大会を,日本統計学会,応用統計学会との連合大会として2002年9月7日~9月10日に明星大学(東京都日野市)にて開催した.特別セッションとして「計量生物学が統計科学に与えた大きな影響」を企画した.
(2) 総会
2002年5月24日(金)の17:30 - 18:30に京都府民総合交流プラザ「京都テルサ」にて開催し,2001年度活動報告および決算報告,2002年度活動予定および予算案,計量生物セミナー報告の発行,2003年度よりの会計の整理,2003年度よりの会費の改定とそれに伴う会則の変更,近い将来の論文誌 On-line journal 化に関する意見聴取,およびその他の議事を議論した.
(3) 計量生物シンポジウムとチュートリアルセミナー
これまで実施していた秋のセミナーに代わるものとして,計量生物シンポジウムを以下の要領で開催した.
日 時:2002年5月24日(金)午後
会 場:京都府民総合交流プラザ「京都テルサ」
テーマ:医学・生物学的リスクの評価
特別講演:長嶋 實,長山淳哉の両氏
一般講演:8題.
参加人数は,正会員80名,後援学会員12名,非会員46名,学生6名の計144名であった.
  同日午前に同会場において丹後俊郎氏を講師としたチュートリアルセミナーを実施した.テーマは「メタ・アナリシス-エビデンスの統合をめざす統計手法」で,参加人数は,正会員59名,非会員47名,学生9名の計115名であった.
(4) 学会誌の発行
  「計量生物学」第22巻1&2合併号 (2001) を2002年2月に発行した.原著2報,研究速報2報で全65ページであった.さらに,「計量生物学」第23巻1号 (2002) を2002年9月に発行した.原著2報,研究速報1報,林知己夫先生の追悼記事で全45ページであった.
(5) ニュースレターの発行
以下のニュースレターを電子配信により発行した(学会のホームページにも掲載):No. 78 (2002. 1),No. 79 (2002. 4),No. 80 (2002. 7),No. 81 (2002. 10)
(6) 理事会
対面理事会を3月29日,5月24日,9月10日の3回開催し,会務の遂行上の種々の案件について議論した.また,E-mail理事会を1月11日,2月11日,4月22日,7月2日,10月25日の5回開催し,同じく会務の遂行上の種々の案件について議論した.
(7) その他
(a) 統計科学の欧文誌の共同発行の議論に編集理事の一人を担当者として出す.
(b) 「横断型基幹科学技術研究団体連合」に関する情報収集を椿広計理事を中心に行なう.
(c) 日本シミュレーション&ゲーミング学会よりの後援依頼を承諾した.

2002年度決算報告が岸野会計理事よりなされ,柳本武美監事から適正な会計であるとの会計監査報告が行なわれた.活動報告および決算報告は共に承認された.

2.2003年度活動予定,予算案
岩崎庶務理事より以下の2002年度活動予定が示された.
(1) 新役員の構成
役員選挙ならびに当選理事による会議での議論により,以下の陣容で2003/2004年度の会務を遂行することとした.
会長    :柳川 堯
庶務    :岩崎 学,林 邦彦
会計    :岸野洋久,椿美智子
学会誌編集:佐藤俊哉,三中信宏
会報    :椿 広計,山岡和枝
ホームページ:折笠秀樹
企画(年会):丹後俊郎,渡邉裕之,山岡和枝,上坂浩之
企画(シンポジウム):吉村 功,大橋靖雄,井元清哉,松浦正明
組織    :大瀧 慈,松山 裕
国際    :柴田義貞,佐藤俊哉,三中信宏
学術会議  :大瀧 慈
(2) 年次大会
日本統計学会,応用統計学会と合同の連合大会を2003年9月2日から9月5日にかけて名城大学天白キャンパス(愛知県名古屋市)にて開催する.
(3) 計量生物シンポジウム,チュートリアルセミナー及び総会
日本計量生物学会シンポジウムを2003年5月27日の午後に統計数理研究所にて開催する.また,チュートリアルセミナーを同日午前に,総会を昼休み前に共に同会場にて開催する.
(4) 学会誌の発行
「計量生物学」第23巻2号,第24巻1号,同2号および過年度開催の計量生物セミナー記録の特別号を発行する.
(5) ニュースレターの発行
ニュースレターの No. 82 (2003. 2) は電子配信し,No. 83 より郵送での発行を再開する.
ただし, 希望者にはpdfファイルで電子配信を続行する.
(6) 理事会
理事会(対面理事会,E-mail理事会)を適宜開催し,会務遂行上の諸点を議論する.
(7) 組織変更の検討
評議員制度の導入を柱として学会組織を見直す作業を組織担当理事を中心に行なう.
(8) 学会賞の新設の検討
計量生物学会賞の新設の検討を組織担当理事を中心に行なう.
(9) その他
(a) メーリングリストの活用など,学会の活性化ならびに会員へのサービス向上に向けた取り組みを積極的に推進する.
(b) 計量生物学の発展に資する学会やシンポジウムなどを適宜後援する.
(c) 学術会議会員候補者の推薦などを行なう.
(d) 統計関連諸学会間の種々の議論に参加する.

次に岸野会計理事より2003年度予算案(本総会報告の最後に添付)が示され,活動予定および予算案が議案どおり承認された.

3.会則の変更
岩崎庶務理事より以下の会則の変更が提案された.
現会則9条を新9条「9. 会員は次の特典を受けることができる。
(1)本会が刊行する会誌および資料の配布を受けること
(2)本会の行う事業の通知を受けこれらに参加すること
(3)会則及び別に定める規則により、本会役員の選挙権および被選挙権を有すること」
に改定する.

上記の会則の変更案が承認された.

4.2004年度年次大会
柳川会長から2004年度の年次大会につき,以下の理事会案が提案された.
(1) 2004年度の年次大会も日本統計学会,応用統計学会などとの連合大会として開催する.
(2) 開催時期,場所については連絡委員会の議論に委ねる.

上記提案が承認された.

5.その他
出席者の皆さんからの議案の提案はなかった.

以上の議案を承認し閉会した.

e-mail 並びに対面理事会議事録

岩崎 学(庶務理事)

2003年度第1回e-mail理事会議事録
標記e-mail理事会が2003年2月1日~2月7日にかけて行なわれ,以下の議事について審議した.

議題1:前回議事録の確認
前回議事録が原案通り確認された.

議題2:ニュースレターの郵送での発行について
ニュースレターの郵送の再開について,発行回数は年3回とする案が承認された.印刷するかしないかは郵送を希望しない会員数にもよるので,その調査を含めて最終的判断は担当理事と会長に一任する.

2003年度第2回e-mail理事会議事録
標記e-mail理事会が2003年2月11日~2月17日にかけて行なわれ,以下の議事について審議した.

議題1:日本学術会議会員候補者等の選定
日本学術会議から日本計量生物学会あてに,学術会議会員候補者,推薦人および推薦人予備者各1名の届出の依頼があり,これらを理事の間での選挙にて選出する案が会長から提出され,了承した.

2003年度第3回e-mail理事会議事録
標記e-mail理事会が2003年3月24日~4月3日にかけて行なわれ,以下の議事について審議した.

議題1:本部への IBS Council Member候補者の推薦
IBS本部からIBS Council Member候補者推薦依頼が届き,候補者を理事の間の選挙で選出する案が会長から提案され,了承された.

2003年度第4回e-mail理事会議事録
標記e-mail理事会が2003年3月31日~4月8日にかけて行なわれ,以下の議事について審議した.

議題1:本部への IBS Council Member候補者の推薦
第3回e-mail理事会で合意した選出法により岸野洋久理事が選出され,岸野理事をIBS Council Member候補者に決定した.

2003年度第2回理事会議事録

日 時:2003年4月26日(土)13:00-15:30

場 所:筑波大学東京キャンパスE416室

出席者:柳川,井元,岩崎,大瀧,折笠,岸野,椿(広),林,松浦,松山,三中,山岡,渡邉.

欠席者:上坂,大橋,佐藤,柴田,丹後,椿(美),吉村(全員委任状提出).

議 事
1. 前回議事録の確認
E-mail理事会4回分の議事録を承認した.

2. 計量生物シンポジウム
予定通り順調に進んでいることが報告された.

3. 総会の議案について
(1) 2002年度活動報告,決算報告
上記活動報告案および決算報告案が担当理事から説明され,概ね原案通り了承された.

(2) 2003年度活動予定,予算案
上記活動予定および予算案が担当理事から提示された.活動予定について,会長から評議員制度を取り入れた組織変更ならびに日本計量生物学会賞の新設を予定案に入れる件が提案され,両案とも組織担当理事を中心に議論することを含め予定案に入れることとした.また,会計については,下記の議題5の特別会計にチュートリアルセミナーの収入を繰り入れる件を含め了承された.

(3) 会則の改定
現会則9条を新9条
「9. 会員は次の特典を受けることができる。
(1)本会が刊行する会誌および資料の配布を受けること
(2)本会の行う事業の通知を受けこれらに参加すること
(3)会則及び別に定める規則により、本会役員の選挙権および被選挙権を有すること」
に改定することを総会に諮る.

4. 2004年度大会について
2004年度年次大会も連合大会として開催することが了承された.具体的な時期および場所については連絡委員会での議論に委ねる.

5. 特別会計について
特別会計にチュートリアルセミナーの収入を繰り入れることを承認した.

6. その他
(1) 会員相互のコミュニケーションが可能なメーリングリストを作成する.
(2) 学会活動を活性化するため, 「計量生物シンポジウムを1.5~2日かけて行うこと」, 「メーリングリストを利用する企画の募集」、「新しいスタイルの計量生物セミナー導入可能性」, 「会員増加対策」等, 種々の話題に関して議論を行なった.

日本学術会議報告

吉村 功(統計学研究連絡委員会委員長)

1.学術会議総会
第18期最後の総会が2003年6月2--5日に開かれました.7月下旬には,第19期が発足します.統計学研究連絡委員会の新しい世話担当会員は,柳川堯(九州大学)教授の予定です.第19期は任期(3年)の途中で中断され新しい体制になる予定で,すでに制度変更のための法律整備が進んでいます.
  学術会議は,学者の国会といわれるように,学・協会等,学問の研究者組織とされているところから推薦された人を,総理大臣が(特別公務員である)学術会議会員に任命します.学術研究者は,その職務を,研究者の見識を政府の政策に反映させ,政策に指針を与えたり,研究者間の学術的交流を進めたり,外国の類似組織への対応窓口を用意するものと考えてきたと思います.
   「総合科学技術会議」は(政府決定として)学術会議の果たすべき機能を,政策提言機能,科学に関する連絡調整,社会とのコミュニケーション機能,であるとしています.改革は,現在の制度がこの機能の展開に適当でないという政府の判断,学術会議運営審議会の判断等によっているようです.細部の決定はこれから1年半の間になされるでしょうけど,任期6年(3年ごとの半数改選),70歳定年,co-optation制度(教授会が補充する教授を選考するようなやり方),研連の廃止,等が予想されています.
  現会長は,外国に対し「日本の科学者コミュニティ」として機能させたいということを再三にわたって発言していますので,一般学者からの代表推薦というより,権威ある学術会議が学問的業績を認定し,その眼鏡にかなった人を集団に構成員として選びたい,ということのようです.改革は「成果を挙げた偉い人 (scholars of distinctive merit) の集まり」としての学者集団という色彩が強くなりそうです.

2.統計学研究連絡委員会
今期,統計学研究連絡委員会は,科研費審査員候補の推薦といったルーティンワークの他に,統計学関連学会の協調という目的を追求してきましたが,結果として成果を上げるに至りませんでした.これはひとえに小生の能力の故であり,小生が2期でやめることを決意したのもそのためです.退任に当たり,関連学会の期待に応えられなかったことをお詫びいたします.

ニュースレターについて

椿 広計(ニュースレター担当役員)

日本計量生物学会の財政事情の若干の好転に伴い、本号よりニュースレターの希望者に限定した郵送が再開されました。しかし、もしニュースレターについては、インターネット配信には、郵送・印刷費の節約は勿論、カラー刷りやデータの添付など、郵送では享受できない様々な将来性があることは事実です。もしニュースレター郵送を希望された会員の方で、次号以降メイルによる配信をご希望の方は、その旨を記載の上、「氏名」、「配信先メイルアドレス」を
  tsubaki@gssm.otsuka.tsukuba.ac.jpまでご連絡ください。
  さて、学会員全体が意見交換できる双方向メーリングリストJBSが開設され、日本計量生物学会の会員コミュニケーション機能は改善されつつあると思います。このニュースレターとしても、少しでも双方向性を高めたいと考えていますので、会員の方からの「意見(意見に対する反論も含む)」、「ニュース」、「その他会員で共有したい情報(シンポジウム、重要な論文・著書・イベント、公募・求人)」などの寄稿を歓迎しますので、ぜひご寄稿ください。寄稿の際には、計量生物学会ニュースレター掲載希望ということを明示して
   tsubaki@gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp
に、ご送付ください。内容によっては、理事会で掲載の可否を議論したうえで、掲載できない場合もあるかと存じますが、宜しくお願い申し上げます。ただ、このニュースレター自体は、当面年3回程度(2-3月、7-8月、11-12月)の発行ということで運営されますので、速報性が必要な話題は、メーリングリストJBSをご利用ください。

会員から寄せられた情報

臨床試験方法論セミナー
吉村 功(東京理科大学)

東京理科大学医薬統計コースおよび京都大学 医療統計学の共催で8月30日午後に「臨床試験方法論セミナーGOOD STATISTICAL PRACTICE」を実施いたします。関心のある方は奮ってご参加ください。

1.日 時:       2003年8月30日(土) 13:15-16:45

2.場 所:       キャンパスプラザ京都
           5F 第一講義室
                JR京都駅徒歩2分
                TEL 075-353-9120
                 http://www.consortium.or.jp/campusplaza/index.html
3.参加費: 一般 6000円、
       アカデミック 3000円、学生 1000円

4.プログラム
司会 佐藤俊哉(京都大学医療統計)
13:15-14:00 Robert O’Neill
       (Food and Drug Administration)
           FDAの経験から(仮題)
14:00-14:45 John Lewis
       (前Medicines Control Association)
           EUの経験から(仮題)
15:05-15:50 Gary Koch
       (University of North Carolina)
           Good Statistical Practice:
       An Academic Consultant’s Perspective
15:50-16:05 吉村 功(東京理科大学)
        指定討論
16:05-16:20 大橋靖雄(東京大学生物統計)
        指定討論
16:20-16:45 パネル、総合討論

5.問い合わせ先
京都大学大学院 社会健康医学系専攻 医療統計学
TEL 075-753-4475
e-mail: shun@pbh.med.kyoto-u.ac.jp


その他(ニュースレター担当からの補足)
1)このセミナーの直前、8月28日午後から8月29日には、東京あいおい損保新宿ホールでDrug Information Association(DIA)主催の第10回生物統計学記念ワークショップが開かれます。なお、DIAのウェブページは、
http://www.diahome.org

日本支部のメイルアドレスは、
  diajapan@gol.com
です。
2)第2回「東京理科大学医薬統計フォーラム」を10月30日金曜日午後,神楽坂の東京理科大学から数分の場所にある,森戸記念館で開催予定です。

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横断型基幹科学技術学会連合
        椿 広計(筑波大学)

2003年4月7日東京大学山上会館において横断型基幹科学技術連合の発足総会が開催され、30学会(会員単純総計約30,000名)を会員として活動を開始しました。会長として、吉川弘之氏(産業総合技術研究所理事長、日本学術会議会長)を副会長として、木村英紀氏(東京大学)を選出しました。統計関連学会では、日本統計学会と応用統計学会が、生物関連では、日本植物工場学会が会員として参画しています。6月27日には、村上陽一郎氏などを講演者に招き、安心な技術をテーマとする第1回シンポジウムも東京大学で開催されました。日本計量生物学会としては、当面、本連合の活動を注視し、情報収集を進めるというスタンスです。

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史上最大の法案
        椿 広計(筑波大学)

欧州委員会が、史上最大規模の法案といわれるEU新化学品規制案REACH (Registration, Evaluation and Authorization of CHemicals)を本年3月に発表し、7月10日までのパブリックコメントを求めた。詳しくは、様々な報道やインターネットを検索してほしいが、基本的に我々の身の回りで使われている化学物質あるいは、様々な報道やインターネットを検索してほしいが、基本的に我々の身の回りで使われている化学物質あるいは、その配合利用の人体への影響を新規物質は勿論、従来使われてきた物質についても、食品・医薬品に準じた安全性評価と許認可制度を導入しようとするものである。これの実現のために欧州化学品庁の創設も検討されている。今回の制度が導入されると、化学品メーカや輸入業者、更にそれを利用する川下産業が共同で利用している物質の安全性に関するエビデンスを提出しなければならなくなる。従来から使われている物質についても法案成立後5年を目処に証拠を提出しないと利用不可能になる。我が国政府(経済産業省)は、欧州政府の環境問題に対する積極対応に対して、敬意を表するものの、産業界への過重な負担を危惧する意見書を7月10日に提出している。化学物質の人体への影響評価は、日本計量生物学会が積極的に取り上げてきたテーマであり、今後の欧州議会・欧州理事会の動向が注目される。

 

編集後記

椿 広計(筑波大学)

山岡和枝先生からニュースレター担当を引き継ぎ、見習い期間中ではありましたが、郵送も行うニュースレターを復刊することになりました。今回については、小生の怠慢で発行が3週間程度遅れ、関係方面にご心配をかけたことお詫び申し上げます。
今後とも、ニュースレターのあり方などについて、多くの会員からの声が取り上げられるよう編集を進めたいと存じます。次号は、秋の合同年会を振り返ることが中心になるかと思います。

計量生物学会ニュースレター83号
2003年8月1日発行
発行者 日本計量生物学会
発行責任者 柳川 堯
編集者  椿 広計,山岡和枝

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