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会報 詳細【ニュースレターNo.82】 - 一般社団法人 日本計量生物学会

会報 詳細

巻頭言:会長就任のごあいさつ

非力・浅学の馬脚を何度もバクロして迷惑ばかりおかけしたにもかかわらず、引き続き2003 - 2004年度の会長に選ばれ、大役をお受けすることになりました。会員の皆さまのご支援とご助力を頼りに、精一杯、日本計量生物学会の発展に微力を尽くしたいと思います。よろしくお願い致します。

 前理事会では、[財政問題]、[学会誌の充実]、[会員増加]、[学会の連合]が重点事項として取り組まれました。このうち最大の懸案事項であった財政問題は、担当理事のご尽力で見直しと整理が行われ、また総会で会費値上げをお認め頂き完全な健全化をはかることが出来ました。学会の連合化については、日本統計学会、応用統計学会との連合大会が実現しました。また、連合ではありませんでしたが、春に計量生物シンポジュウムを応用統計学会と同じ場所で期日を接続して開催し多数の会員に満足して頂くことが出来ました。学会誌の充実と会員の増加については、残念ながら目覚ましい成果を上げることは出来ませんでした。新体制では、前理事会が達成できなかった懸案の解決に向け衆知を結集し、学会活動の活性化と充実化を目標として日本計量生物学会の発展に全力を上げたいと思っています。
  特に、新体制では次のような事柄の実現を目指して尽力したいと考えています。

[ニュースレター配布の復活] 多額な単年度赤字のため、ニュースレターの作成・配布を一時停止して、新しい形式のニュースレターを作成しホームページに掲載することでお許しを頂いていましたが、成果は「いまいち」であったようです。財政の健全化にともなって、希望する会員に対するニュースレターの配布を復活いたします。ニュースレターを柱にして学会活動の活性化をはかりたいと考えています。

[学会誌の充実] 投稿論文数が低調なことは大変残念なことです。前理事会ではいろいろ手を尽くしましたが、いまだに学会誌に、皆様方からの論文投稿が得られにくいという原因は何でしょうか。対策が必要です。ご意見をお聞かせ下さい。

[学会賞の設立] 会員の業績・活動に対する社会的な認知を高めるために学会賞の設立を目指したいと考えています。問題は、資金源です。心当たりがある方にご協力をお願い致します。

[組織の見直し] 計量生物学会理事会には、評議員会はありません。理事会は20名の理事から構成されています。そのうち15名は会員から選出され、5名は理事会からの推薦となっています。会員数も少なく、若い方が多かったときは大変うまく機能していましたが、理事の顔ぶれの固定化と高齢化が見られるようになりました。生き生きと活躍している若い研究者にもっと積極的に学会活動に加わって頂き、計量生物の対象分野を広げ、研究のさらなる深化をはかり、学会活動を活性化していくためには組織の見直しが急務であるように思えます。このことは、会員数の増加にも効果的であると思われます。

[学会活動の見直し] 日本統計学会、応用統計学会など統計関連学会との年次大会の連合化をさらに深めていくことが望まれていますが、他方、それでは計量生物学会の独自性はどこにみだせばよいか、という計量生物学会の独自性が問われています。以前に富士研修所で合宿形式で開催していた計量生物セミナーのような小回りがきくセミナーの実施可能性や、春に開催される計量生物シンポジュウムの充実化などを含め広い視点から学会活動の見直しを行いたいと思います。日本計量生物学会の強みは、国際計量生物学会の日本支部を兼ねている所にあります。2004年夏にはオーストラリアのケアンズでIBCが開催されますが、国際化を視野に入れた学会活動の充実化を目指したいと思っています。

  バイオ統計家をはじめ統計家の数は、明らかに日本社会の至る所で不足しています。若い統計家の供給源としてバイオ統計学のシステマチックな教育・研究機関が日本の大学や研究機関に設置されなければ、私どもがたずさわる職業の未来は暗いと思っています。ゆっくりとした歩みですが京大、東大、東京理科大、北里大などで関係者のご努力が実を結びつつあります。学会の連合化によって社会に対する発言力を高めるとともに、学会としてこれらの動きを最大限支援していきたいと思っています。
  ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

柳川 堯(九州大学)

奥野忠一先生・工藤昭夫先生の訃報

日本計量生物学会名誉会員・国際統計学会元副会長の奥野忠一先生が平成14年12月24日逝去されました。享年80歳でした。先生は、1982年の国際計量生物会議東京開催に先立ち、日本計量生物学会創設に尽力され、初代庶務理事、第2代会長(1987-1989)として学会創生期に活躍されました。先生は、我国農業実験計画法のパイオニアとして著名でした。農業生産の適応制御を目指して多変量解析法についても多大の貢献をされました。本学会創設後は、上記1982年の国際計量生物学会議や1987年のISI東京総会で、医薬品開発関連のサテライトミーティングを共催・主催し、我国臨床統計勃興にも大きな貢献をされています。この成果は、Okuno(1988) Biometry Clinical trials and related topics, Exerpta Medicaで確認できます。昨夏の林知己夫初代会長に続き、奥野忠一先生までお亡くなりになられ寂しい限りです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。なお、本ニュースレターのために、岩崎学庶務理事より追悼文を頂くことができましたので、掲載いたします。

奥野忠一先生略歴

1922 大阪船場に生まれる
1944 東京大学理学部数学科卒業
東京大学大学院特別研究生
1946-1975 農林省農業技術研究所技官
1973年から物理統計部長
1975-1983 東京大学工学部計数工学科教授
1977-1983 国立公害研究所環境情報部長
1983- 東京理科大学工学部経営工学科教授
工学部長、経営学部長、理事を歴任

 ニュースレター編集終了直後、平成15年2月3日客員教授として滞在中の中国長春市で、本会の創生期からの会員の工藤昭夫先生が急逝されたとの第一報が入りました。享年74歳でした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

寄稿:奥野忠一先生の思い出

2002年末の突然の奥野先生の訃報には本当に驚きました.思えば2002年5月の京都でのシンポジウムの際にお目にかかったのが最後となりました.先生は,目をお悪くされてからも,上記のシンポジウムを始め数多くの学会やシンポジウムなどにおいでくださいました.1999年のフィンランドでのISI大会の折,ヘルシンキのホテルのロビーで偶然お目にかかったときはたいそう驚きました.また,あるときなど「岩崎君の話を聞きに来たんだよ」とおっしゃっていただき,大変恐縮すると同時に身の引き締まる思いがしました.
  奥野先生の「お名前」に初めて接したのは,私が大学4年生のとき,奥野・芳賀・久米・吉沢による名著「多変量解析法」(日科技連)を読んだときでした.爾来,私は多変量データ解析を中心とした教育・研究のキャリアを積むことになりましたが,この書物がその端緒でした.この本はまさに名著で,これだけ理論と応用のバランスの取れた書物に未だにお目にかかってはいません.
  その後,奥野先生に実際にお目にかかる機会も多くなり,親しくお話しできるようになったことが自分の成長の証となりました.私は以前,奥野先生のご著書「農業実験計画法小史」(日科技連, の書評を書かせていただきましたが(日本統計学会誌 (1995) 25 (3), 288-290)そこで見た私の知らない先生のご業績は圧倒的でした.かかる統計学の巨人を失ったことは誠に残念であると共に,そのご遺志を引き継いでいくべき責任も痛感しています.

岩崎 学(成蹊大学工学部)

2003年度日本計量生物学会シンポジウム「生命情報科学」のご案内

日本計量生物学会シンポジウムを下記の要領で開催します.また,一般講演を募集しますので奮ってご参加下さい.

1.期 日: 2003年5月27日(火)
2.会 場: 統計数理研究所 (〒106-8569 東京都港区南麻布4-6-7)
3.参加費: 正会員3,000円,非会員5,000円,学生(正会員,非会員とも)1,000円
4.全体テーマ: 「生命情報科学」
5.特別セッション: 「遺伝子に関する統計解析上の諸問題」
・オーガナイザー:吉村 功(東京理科大学工学部),大橋靖雄(東京大学医学部)
6.一般講演の募集
  (1) 申し込み方法: 発表者氏名,所属,講演題目,連絡先を明記の上,電子メール,ファックスあるいは葉書で下記にお送りください.
〒107-0062 東京都港区南青山 6-3-9
    大和ビル公益財団法人 統計情報研究開発センター内
    日本計量生物学会事務局
e-mail: biometrics@sinfonica.or.jp,FAX:03-5467-0484
  (2)申し込み締切(必着): 2003年3月14日(金)
  (3)予稿原稿締切(必着): 2003年4月18日(金)
7.その他:
  (1) シンポジウム期間中に日本計量生物学会総会を開催します.
  (2) シンポジウム当日の午前中に「疫学・臨床研究における因果推論」のテーマで,京都大学の佐藤俊哉,松山 裕の両氏を講師とするチュートリアルセミナーを開催の予定です.
  (3) シンポジウム前日の5月26日(月)に同会場にて応用統計学会シンポジウムが開催されます.

 

広告掲載検討のお願い

日本計量生物学会関連機関の広告掲載を募ります。本学会では、学会誌「計量生物学」を年に2回刊行しております。また、本年より学会のニュースレターも年3回発行致します。読者は医療・生物医学系の統計学専門家で、Circulationは約500部です。 広告の内容としましては、統計学関連の書籍・雑誌、統計ソフト、人材募集、会議案内などです。掲載料は1回につき、B5版の1頁で3万円、半頁で2万円です。お問い合わせは広報担当理事、折笠秀樹までご連絡ください。
(E-Mail: horigasa@ms.toyama-mpu.ac.jp, TEL: 076-434-2281,ext.2450/2451, FAX:076-434-5184)
  今後とも日本計量生物学会へ協賛の程よろしくお願い申し上げます。

復刊ニュースのメイル配信希望募集

会財務状況の若干の改善に伴い、ニュースレターの送付を再開します。しかし、昨今のインターネット普及に伴い、紙媒体での郵送よりも「PDFファイルのメイルでの送付サービス」の方が好ましいという意見も多く出ています。復刊第一号は原則として全会員に郵送いたしますが、もしこのWEBページを見て、添付ファイルの配信の方が好ましいと感じられる方は、ニュースレター担当理事、椿 広計にメイル( tsubaki@gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp )でご一報ください。また、今後のニュースレター運営・編集方針、今回の感想などご意見があれば、是非上記にお寄せください。

2003年度統計関連学会連合大会企画募集

2003年度連合大会企画委員会

日本計量生物学会2003年度年次大会は,日本統計学会および応用統計学会との連合大会として 9月3日(水)から5日(金)に名古屋の名城大学にて開催の予定です.この連合大会における「企画セッション」の企画を以下の要領で広く皆さんから 募集します.ご自分がオーガナイザーとなりセッションを構成するという案でも,また,こういうセッションがあればいいという提案でも構いません.

・応募期限:2003年3月10日(月)必着

・応募宛先:2003年度連合大会企画委員会 委員長 岩崎 学

〒180-8633 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1 成蹊大学工学部
   FAX: 0422-37-3871,E-mail: iwasaki@is.seikei.ac.jpv
   (郵便,ファックス,電子メールのいずれでも構いません)

・提案内容:確定でなくても構いません.

(a) ご自分がオーガナイザーとなりセッションを構成する場合:
 (a.1) セッションのテーマとねらい
 (a.2) オーガナイザーの氏名,所属,連絡先(住所及びメールアドレス)
 (a.3) 予定する講演者と講演題目(仮題)ならびに討論者
 (a.4) セッションに必要な時間
(b) 取り上げて欲しいテーマがある場合:
 (b.1) セッションのテーマとねらい
 (b.2) オーガナイザーとしてふさわしい方の氏名と所属
 (b.3) 講演者としてふさわしい方の氏名と所属

・照会先:上記岩崎までお願いします.

理事会議事録

●2002年度第5回(通算第8回)E-mail理事会議事録(案)

標記E-mail理事会が2002年10月25日から10月31日にかけて行なわれ,以下の議事について議論した.

議題:

1.統計科学の欧文誌の共同発行について

 吉村功日本学術会議研究連絡委員会委員長(学術会議会員)から,統計学関連学会で欧文誌の共同発行を行なうという案に関し計量生物学会としてその趣旨に賛同するか賛同するならその可能性を相談する委員を日本計量生物学会から出して欲しいとの要請があった.この件に対し各理事の意見交換をメールで行ない,以下の結論を得た.
共同発行についてはその可否を含め今後さらに議論を深める必要がある.その議論のために計量生物学会として編集理事の一人を担当者として出す.二人の編集理事のどちらを担当者とするかは編集理事に一任する.

●2003年度第1回理事会議事録(案)

日 時:2003年1月11日(土)17:30~19:30
場 所:リージャス大手町ファーストスクエア会議室
出席者:井元,岩崎,上坂,大瀧,佐藤,丹後,椿(広),松浦,松山,柳川,山岡,吉村,渡邉
欠席者:大橋,折笠,岸野,柴田,椿(美),林,三中.(全員委任状提出).
議事に入る前に,昨年末にご逝去された奥野忠一元会長に黙祷を捧げた.

議 題

1. 学会三役の選出ならびに各理事の役割分担

 日本計量生物学会役員選出に関する細則第4条に則り,会長に柳川堯理事,庶務理事に岩崎学,林邦彦の両理事,会計理事に岸野洋久,椿美智子の両理事を選出した.また,IBSに届けるRegional SecretaryとTreasurerを、それぞれ岩崎理事、岸野理事とした.引き続き各理事の役割分担について話し合い,以下の陣容で2003 – 2004年度の会務を遂行することとした.なお,各役割の最初に挙げた理事が責任者である.

会長:柳川 堯

庶務:岩崎 学,林 邦彦

会計:岸野洋久,椿美智子

編集:佐藤俊哉,三中信宏

会報:椿 広計,山岡和枝

ホームページ:折笠秀樹

企画(年会):丹後俊郎,渡邉裕之,上坂浩之,

企画(シンポジウム):吉村 功,大橋靖雄,井元清哉,松浦正明

組織:大瀧 慈,松山 裕

国際:柴田義貞,佐藤俊哉,三中信宏

日本学術会議:大瀧 慈

2. 学会費

2002年度の総会で学会費を国内会費+本部への送金分と決めたが,本部送金分は US$1 = ¥120 で計算することとした.なお,会費納入の案内には発展途上国援助の特別会費の寄付を促進する手立てを講じることを確認した.

3. 春のシンポジウム

2003年5月27日(火)開催予定の計量生物学会シンポジウムのテーマを「生命情報科学」とし,吉村理事を中心に特別セッション「遺伝子に関する統計解析上の諸問題」を構成することとし3時間を割り当てることにした.また,2時間のチュートリアルセッションを実施することとした.なお,一般講演も受け付け,シンポジウムの案内文の作成ならびに発送は岩崎前企画理事の担当とし,その後のプログラム編成や当日の運営などは新企画理事(シンポジウム)が担当することとした.

4. 会費滞納者および連絡先不明者への対応

 会費滞納者に関しては,滞納分も含めた額を請求し,各理事が個別にあたり会費納入のための努力をすることとした.

5. ニュースレターの発行

2003年3月中に発行し,春のシンポジウムの紹介記事などを掲載することにした.なお,年何回発行するかについてはe-mail理事会で検討し,決定することとした.

報告事項

1. 柳川会長から「学会本部から日本支部宛に2002年開催のIBCに対する US$3,000 の支援に対する会社上が届いた」旨の報告があった.

2. 佐藤編集理事から会誌の発行スケジュールに関する説明があった.

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