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会報 詳細

巻頭言

統計的な仮定と金平糖のイメージ

 

    寺田寅彦の随筆集に金平糖の話が出てくる. 芥子(けし)を焼いたものに, 転がしながら砂糖などを溶かしたものを繰り返しかけていくと,
あのようなでこぼこの形になるという. これはカオス・フラクタル現象の典型例としても挙げられる. 金平糖の場合, 形がはっきりしているが,
結果を知らずにその形を予想するなら, 単純に丸いままで大きくなるという「一様性」の仮定をとりあえず支持しそうだ.
もちろん統計的手法が要請されるのは, そのような結果がはっきりわからない状況下であろう.

  薬物の副作用や毒性などを調べるとき, 用量-反応関係として, 何らかの「順序」を仮定する場合が多い(あるいは多かった)と思う.
他に情報がなければ, 自然な仮定のように思われるし, 実際, それを前提にして, 多くの判断がなされてきたと思う. ところが, ご存じのとおり,
内分泌攪乱物質(いわゆる環境ホルモン)のような場合では, 従来のやり方で決めた許容量以下での影響が指摘されているわけである.
現実的には, これまでのやり方で捉えきれなかった例外として扱うというだけのことかも知れないが, 例外の範囲は今後とも広がっていくだろう.
もともと統計的な解析では様々な仮定を前提にしているわけで, その限界について統計家は認識しているわけだが, 一般にはどうだろうか?
このようなことが「統計」についての信頼を損ねることに繋がらないか, 多少の危惧を覚える. このような問題に対して, 新たな統計的手法が早く
確立されることを願うと同時に, その限界についても注意を怠らないようにしたいと思う. 

    話は変わるが, 新聞で, 昨年10月末に東京で開催された「国際科学ジャーナリスト会議」のことを紹介したコラムを見つけた.
(朝日新聞2001年11月4日付け夕刊「窓」) それによると, 英国, ロシア, 日本で実施された, 科学常識についての調査の報告が行われ,
成績は良い方から, ロシア, 日本, 英国の順となり, ノーベル賞獲得者数における圧倒的優勢とは裏腹に, 英国の一般国民レベルにおける
科学オンチぶりが際立つ結果であったという. 日本における「学力」についての論争が盛んであるが, 上の調査結果が実態をある程度とらえ
ているものであるならば, 意外な感じがする. 平均的に高いものの上に, 秀逸なものが生まれるというイメージを持ってしまうのは, 先の「一様性」や
「単調性」の発想と同じだろうか?金平糖のようなものとどこか通じるようなものを覚える. 

    新年度から小・中・高校では新しい学習指導要領によるカリキュラムがスタートするが, 学力低下を危惧する声が喧しい.
日本人の「知」は収縮してしまうのだろうか, あるいは金平糖のようなでこぼこ型になるのであろうか?「実験」はこれからであるが,
せめてデータはきちんと採ってほしいと思う.

安楽 和夫(西南学院大学)

会長から一言

本年は, 5月24日に計量生物シンポジウムを京都市で開催いたします. その際に, 併せて総会を開催します.
シンポジウムの形式が大きく変わりましたのでご注意ください. 多くの会員諸氏に参加頂ければ幸いです. 

    また, 7月21-26日に独フライブルグ市でIBC2002が開催されます. 会員諸氏は. 日頃Biometric BulletinやBiometrics,
あるいはThe Journal of Agricultural, Biological and Environmental Sciencesを通して世界各国の研究動向をキャッチし,
活発な活動を行っておられますが, その割にはIBC(International Biometric Conference)への参加が, 意外と少ないようです.
International Biometric Society (IBS)の中で日本支部は, アメリカ合衆国, 独, 英についで4番目に大きな支部です. レベルも高いのです.
世界各国の仲間に接する楽しさと喜びを味わってみませんか. さまざまな, 楽しい催しも企画されているようです.
なお, IBCのホームページは, www.ibc2002.uni-freiburg.deです.

柳川 堯

2002年度日本計量生物学会シンポジウムのご案内

 日本計量生物学会シンポジウムを下記の要領で開催します. 一般講演を募集しますので, 奮ってご参加下さい. 

1.日 時: 2002年5月24日(金) 13:00 - 17:00 

2.会 場: 京都府民総合交流プラザ「京都テルサ」

          〒601-8047 京都市南区東九条下殿田町70(新町通九条下ル) 

3.参加費: 正会員3,000円, 非会員5,000円, 学生(正会員, 非会員とも)1,000 円 

4. テーマ: 医学・生物学的リスクの評価
狂牛病, 感染症, 炭疸菌など医学・生物学に関連した種々のリスクが今日的話題となっています.
本シンポジウムでは, それら医学・生物学的リスクの評価あるいは疾病のモデル化, そしてそれらへの対応について議論します. 

5. 特別講演(表題はいずれも仮題):

  ・長山淳哉(九州大学医療技術短期大学部)「ダイオキシンと環境ホルモン:胎児と乳児への影響」

  ・長島 實(協和発酵工業(株))「環境リスク・コミュニケーション」 

6. 一般講演:  一般講演の内容は, 必ずしもシンポジウムのテーマに沿ったものでなくても構いません.

 (1) 申し込み方法:  発表者氏名, 所属, 講演題目, 連絡先を明記の上, 電子メール, ファックスあるいは葉書で下記にお送りください.

                                 〒107-0062東京都港区南青山 6-3-9 大和ビル 2F 公益財団法人 統計情報研究開発センター内 

                                 日本計量生物学会事務局 

                                    e-mail: biometrics@sinfonica.or.jp, 

                                    FAX: 03-5467-0482 

  (2) 申し込み締切(必着): 2002年3月15日(金) 

  (3) 予稿原稿締切(必着): 2002年4月19日(金) 

7. その他

 (1) シンポジウム期間中に日本計量生物学会総会を開催します.

 (2) シンポジウム当日の午前中にチュートリアルセミナーを, オーガナイザー:丹後俊郎(国立公衆衛生院),
テーマ「メタ・アナリシス-エビデンスの統合をめざす統計手法」として開催します. 詳細はシンポジウム・プログラムと共にお知らせします.

 (3) シンポジウム翌日の5月25日(土)に同会場にて応用統計学会シンポジウムが開催されます.  

※日本計量生物学会の年次大会は, 毎年春に開催していましたが, 2002年度は初の試みとして9月上旬に
日本統計学会, 応用統計学会と共催で明星大学(東京都日野市)にて開催することとなりました. これに伴い,
秋の計量生物セミナーを今年度は実施せず, 代わりに5月に日本計量生物学会シンポジウムを開催するものです.
また, 年次大会時に開催されていました総会も, 9月では時期が遅いことからシンポジウム時に開催することと致しました.
なお, 2003年度以降の開催方法につきましては, 今後理事会で議論を詰めてまいります.

学会事務局からのお願い

 学会事務の円滑化のため以下のお願いをします.会員諸氏のご協力をよろしくお願い申し上げます.

1.2002会計年度 (2002.1.1 - 2002.12.31) の会費納入のご連絡を近々致しますので早めの対応をお願いします.
その際,発展途上国援助のご寄付にもご協力下さい.なお,会費納入期限 (2002.3.15) までに会費の納入がありませんと
Biometricsなどの送付が停止されますのでご注意下さい.

2.異動の季節です.異動がございましたら学会事務局まで必ずご一報下さい.
なお,国際会員(Biometricsを購読するB会員)の方の異動のIBS本部への連絡は日本の学会事務局を通じて行ないますので,
新異動先の英文表記も合わせてご連絡下さい.

3.2001年にBiometricsが届いていないなどの事故がございましたら,学会事務局までお知らせ下さい.

庶務理事 岩崎 学

広報からのお知らせ

<広告掲載のお知らせとお願い>

・学会誌への広告掲載のお願い
雑誌「計量生物学」について
  日本計量生物学会(柳川堯、会長)の学会誌です.
  1年に2回発行する学術雑誌です.
  原則として, 6月と12月に刊行することになっています.
  読者は生物統計学の専門家(理論・応用)が中心で, 会員数約400名です.
  Circulationは約500部です.

・広告掲載のお願い
  本学術雑誌に広告掲載の募集をいたします.
内容としては, 統計学関連の書籍・雑誌, 統計ソフト, 会議案内, 人材募集などです.
掲載料は1回につき, B51ページで3万円, 半ページで1.5万円です.
入稿締め切りは5月1日及び11月1日です. できれば電子化ファイルでご入稿願います.
可能な限り継続的に広告掲載をお願い申し上げます.


問い合わせ・掲載依頼先
  折笠 秀樹
  富山医科薬科大学医学部教授
  930-0194富山市杉谷2630番地
  (FAX: 076-434-5184, E-Mail: horigasa@ms.toyama-mpu.ac.jp)

<情報をお寄せ下さい>

 関連学会, 会議, セミナーなどございましたら, ニュースレター編集担当委員までお知らせ下さい.
また, 生物統計学の発展に資するもの, 会員に有益であると考えられるものなどについての原稿等を,
積極的にご投稿ください. 原稿の送付先は以下の通りです. 編集作業の都合上, できましたらEメールでお送りいただけますと幸いです.

 

原稿の送付先:
  〒173-8605東京都板橋区加賀2-11-1
  帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室
  山岡和枝
  TEL:03-3964-1211(内線2178)
  FAX:03-3964-1058
  e-mail: kazue@med.teikyo-u.ac.jp