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会報 詳細

林知己夫先生の思い出

   2002年8月6日に、林知己夫先生が逝去された。享年84歳であった。

   昨年の9月11日の米国での同時多発テロの直後に入院されてから1年もたっていなかった。昨年入院された際にお見舞いにうかがうと、 ニュースをみて興奮しすぎて心臓がおかしくなったと言われた。そのときには病室では下から聞こえてくる車の走行する音を波の音と思って、 ちょうどハワイの海辺に休養に来ているようだと、いつものプラス思考で半ば病室での生活を楽しんでいらした。なるほど、高層の病室の窓には夕日が美しく映っていた。 退院後は今年の7月にポーランドであったIFCSへの申込や学会後の立ち寄り先などをすでに決められ、張りきっていらした。今年の2月に再び入院されたが、そのときは、 前回は遅くなって不覚をとったので今回は早めに入院されたとおっしゃり、じきに退院された。そして5月、6月には行動計量学会で「データの科学」のシンポジウムにシンポジストと討論者として出席いただいた。 本調子ではなかったかもしれないが、そんなことは一言もおっしゃらず、最後まで参加して下さった。それが最後のシンポジウムとなってしまった。

  林先生は計量生物学会の第1回会長でもあり、84年に東京で開催されたBiometric Conferenceの会長でもあった。調査法や数量化を始め、さまざまな方法論の開発、 国民性の統計学的研究、意識の国際比較方法論などの発展に尽力を注がれてきたが、その主旨は人の役に立つ学問をせよということであり、これは近年、林先生が主張されてきたデータの科学の骨子でもある。 林先生の業績については言うに及ばないと思うので、私はこの機会にもう少し、林先生の思い出を述べさせていただくことにしたい。

  林先生は私が帝京大学に在職した当時、そこの教授であった、故山本幹夫先生と共同研究をなさっていた。私もそれに加わったのがご縁でいろいろと教えていただくようになった。 計量生物学会に入ったのも国際大会をやるから入って勉強しろといわれたのがきっかけでもあった。

  林先生の第1印象は「知的好奇心の固まり」であった。そしてとても人間的に温かい方であった。その印象は四半世紀以上たつ今日まで変わっていない。 私がそれまで嫌いであった統計学に興味を持ち始めたのも、そんな先生のものの見方や考え方に惹かれたからだと思う。

  林先生は86年に統計数理研究所長を退官されたが、その前、所長としてお忙しい日々を送っていらしたときにスキーに ご一緒させていただいたことがあった。そのときのことだと思う。「仕事が忙しくなったら、遊びも仕事と思ってちゃんと 予定をとってやらないとだめだ」と言われた。これはいろいろ教えていただいた中で、私が一番よく守っている教えでもある。91年の日中統計シンポジウムの際に中国・雲南でご一緒して以来、海外の学会には毎年のようにご一緒させていただき、いろいろな国に連れて行っていただいた。旅行の前には実に詳細に行き先のことを調べられ、下手な旅行案内書より遙かに詳しかった。それは単に旅行情報だけでなく、その地域や人々に絡んで書かれたエッセイや小説までも含んでおり、先生が常々「データを理解するためには単に統計学だけではなく、社会やそこに暮らす人々について理解し、見識を深めなければいけない」と言われ雑学を勧められたことがそんなところにも表れていた。ご一緒に旅行していても、とにかく話題が豊富でお話しなさるのがお好きで話が尽きることがなかった。そして研究会のときだけでなく、旅行中やふだんの何気ない話のときにも、ものの見方や捉え方、考え方など、公私ともに先生には様々なことを教えていただいた。「君には情熱が欠けている」とよくいわれ、林先生が亡くなられる直前、7月にお見舞いにうかがったときにも、酸素マスクを外され「勉強しろ」と逆に励まされてしまった。そんな林先生と心の中でしかお話ができなくなってしまった。

  いつもすべてに情熱を傾けていらした林先生に、心より哀悼の意を表します。

 山岡 和枝 (国立保健医療科学院技術評価部)

会長の一言

 2002年度年次大会を、日本統計学会、応用統計学会との連合大会として開催致しました。大成功であったと思います。理事会では、来年度の年次大会も再び、さらに多くの統計関連学会に呼びかけ、合同年次大会として開催することに決定しました。このことについて、それでは我が学会の独自性はどこに求めればよいのか、などの意見が表明されています。会員の皆様方はどうお考えでしょうか。時代の変革に即した学会の運営が問われています。

 さて、2003-2004年度の役員選挙がスタートしました。皆様方のご意見をぜひ投票に託して頂きますよう。

柳川 堯

理事会議事録

2002年度第3回(通算第6回)E-mail理事会議事録要旨 (2002年4月22日)

議題:2002年秋の連合学会の企画について
決定:特別セッションのテーマを「計量生物学が統計科学に与えた大きな貢献」とし,計量生物分野と経済などの異なる分野から講演者を選ぶ.


2002年度第4回(通算第7回)E-mail理事会議事録要旨 (2002年7月2日)

議題1:2003年度の連合大会について
決定:2003年度も2002年度同様3学会の連合で年次大会を開催する.

議題2:会則の変更について
  2002年度総会で会費の改訂に伴う会則変更が承認されたが,これに伴う必然的な措置として会則9条
「9.会員はつぎの特典を受ける。
(1)本会が刊行する会誌および資料の配布を受けること
(2)本会の行う事業の通知を受けこれらに参加すること
(3)会則及び別に定める規則により,本会役員の選挙権および被選挙権を有すること
(4)国際計量生物学会の機関誌Biometricsを年4回受領する(ただし前記7のただし書きに該当する者は除く)」
を以下のように改訂し,2003年度総会の承認を得る.
「9. 会員は次の特典を受けることができる。
(1)本会が刊行する会誌および資料の配布を受けること
(2)本会の行う事業の通知を受けこれらに参加すること
(3)会則及び別に定める規則により,本会役員の選挙権および被選挙権を有すること」

なお,会費の改定についてはさらに会員への周知を図る.


2002年度第2回理事会議事録


日 時:2002年5月24日(金)12:00 - 13:00
場 所:京都テルサ 会議室
出席者:柳川,安楽,岩崎,上坂,折笠,岸野,佐々木,佐藤,丹後,椿(広),三中,山岡.
欠席者:大瀧,大橋,栗原,後藤,柴田,椿(美),丸山,吉村.(全員委任状提出).

議 題
1. 前回議事録の確認
  議事録案どおり承認された

2. 総会提出議案の確認
  2001年度活動報告,決算案および2002年度活動予定,予算案につき再度確認した.

3. 秋の連合大会での企画
  連合大会において日本計量生物学会がオーガナイズするセッションについては,「計量生物学が世の中あるいは統計科学に与えた大きなインパクト」についてのセッションを提案することとした

4. 本部からの提案事項の審議
  佐藤理事が本部のcouncil memberに当選したことが報告され,本部からの検討依頼事項について審議し適切な処理をすることとした.

5. その他
(1) 2002年度のチュートリアルセミナーおよびシンポジウムはセミナー会計で処理し,この件は総会にて口頭で説明することとした.


2002年度第3回理事会議事録


2002年度第3回対面理事会議事録要旨

日 時:2002年9月10日(火)10:50 - 12:00
場 所:明星大学 大学会館会議室
出席者:柳川,安楽,岩崎,大瀧,大橋,岸野,佐々木,柴田,椿(広),吉村.
欠席者:上坂,折笠,栗原,後藤,佐藤,丹後,椿(美),丸山,三中,山岡.(委任状7通).

議 題
1. 前回議事録の確認
  議事録案通り承認された.

2. 2003-2004年度役員選挙について
  選挙管理委員長に椿(広)理事を選出し,もう1名の選挙管理委員として岸本淳司会員に依頼する.選挙日程はほぼ前回に沿って進め,投票締め切りは11月1日(金)(消印有効)とした.なお,学術会議関係の選挙は年明けでも間に合うので次期理事会に申し送ることとした.

3. 2003年度計量生物シンポジウムについて
  2003年度計量生物シンポジウムは,応用統計学会と歩調を合わせ5月下旬に東京地区で開催の方向で,具体的な日程は応用統計学会と協議の上決めることとした.シンポジウムのテーマ候補は「ゲノム関係」とし担当理事で準備を進める.

4. その他
(1) 柳川会長からニュースレターの郵送再開の提案がなされ,経費的に可能であれば再開の方向で次期理事会に申し送ることとした.
(2) 日本シミュレーション&ゲーミング学会よりの後援依頼を承諾した.

 庶務理事 岩崎 学

市民講演会報告

 日本計量生物学会がこれまでの応用統計学会との連合に日本統計学会を加えて実施した初の3学会連合大会を記念して市民講演会が企画され,2002年9月8日(日)の午後3時から5時半にかけ明星大学シェイクスピアホールにて以下のプログラムで開催された.

テーマ:ふるきをたずねて新しきを知る-統計学で温故知新-
主催:日本統計学会,応用統計学会,日本計量生物学会
共催:明星大学
協賛:日野市,日本分類学会
参加費:無料
講演者と演題:
・岩崎 学(成蹊大・工)「開会の挨拶-こんなところにも統計が!」
・竹田正幸(九州大・システム情報科学)「文学作品におけるデータマイニング-デジタル国文学の新展開」
・村上征勝(統計数理研究所)「コンピュータで探る名作の謎-シェイクスピア作品,『静かなドン』,『源氏物語』を中心に」
  明星大学のご協力により立派な講演会場を使用でき,連合大会ならびに科学研究費からの援助を受けて参加費無料の講演会が実現した.関係各位にこの場を借りて御礼申し上げます.各講演内容は統計の専門家でなくても(あっても)興味深いもので,会場にお見えになられた皆さんの評判も上々であった.
  なお,当日の講演資料の残部があるので岩崎 ( iwasaki@is.seikei.ac.jp) までご一報いただければお送りします.


 企画担当理事 岩崎 学

日本学術会議報告

第4部会員、統計学研究連絡委員会委員長 吉村 功

1.改選のこと  学術会議会員は3年が単位で、現在の第18期会員は来年7月までが任期です。改選には、推薦資格のある学会が推薦人と候補者を選びます。締め切りが来年2月ですから、各学会はそれぞれ準備をする必要があります。 ただし、次期については微妙な問題があります。日本政府は、行政改革の一環として、科学面での政策を「総合科学技術会議」に依存して決めることにしていますが、これが現在、学術会議の改革を審議中で、近いうちに今までと違った選考方針を出しそうです。たとえば、ある期の学術会議会員はその前期の会員が指名する、といったような変更です。こうなると、次期は従来の方針で選んでおいて、その次から新方針を適用するのか、それとも現在の期からその方針を適用するのか、といった過渡期の問題が生じ第19期の会員選考がどうなるか分からないのです。場合によっては、現在の第18期の任期を少しだけ延長して、新体制を作るかもしれません。各学会としては従来通りに推薦の準備をしておくことと、変化が生じ得たらそれに対応できるようにしておくことが必要になります。

2.新しい学術体系のこと  吉川弘之会長、吉田民人副会長、黒川清副会長といった学術会議の現執行部は、20世紀の行き詰まりを21世紀において解決するためには新しい学術大系が必要、という認識を持ち、それを高らかにうたう「日本の計画、Japan Perspective」という文書をまとめようとしています。(近く、http://www.scj.go.jp/で中間報告が公開されます。)  この報告が机上の作文に終わるか、行政上・学問上に大きな影響を与えるかは予想がつきません。こういう文書に基づいて学術上の開発資金が流れることもあり得ますし、新しい法人や組織が作られることもあり得ます。そういう意味で、自分の分野で研究論文を書いていればよい、ということではなく外部世界・他の分野ではどんな議論がなされているか、に関心を持ち知識を持っていただきたいと思います。もちろん、そのようなことに流される必要はありませんが。

3.統計学関連学会の協調について  統計学研究連絡委員会(統計研連)では、ずっと統計学関連学会の協調についての議論を続けています。たとえば、統計科学連合を作れないか、合同大会を行うのはどうか、英文誌の共同発行はどうか、といったことの議論です。残念ながらその議論はそれほど進んでいません。これに対して、できるところから協調の動きを作ろう、ということで日本統計学会、応用統計学会、日本計量生物学会は、連絡委員会を組織して、今年(2002年度)連合大会を開催しました。この3学会は日本分類学会の協賛も得て、来年名古屋で連合大会を開きます。そこでは日本行動計量学会とのほぼ同時期の開催を計画しています。このような動きと、統計研連の協調の努力はどのような関係なのか、という質問が出ています。それに対して私は、統計研連はトップダウン的、連絡委員会はボトムアップ的という違いがあるだけで、同じ方向を目指したものである、と答えています。欧文誌の共同発行については、統計研連で呼びかけた方が良い、というのが9月30日に開かれた統計研連の委員会の結論ですので、私としてはそういう呼びかけをする予定です。 以上が現状報告です。

2003年度日本臨床薬理学会海外研修員募集のお知らせ

次の要項により、2003年度本学会海外研修員候補者を募集します。

A 目的
国際的な視点より、わが国の薬物治療に関わる質の高い臨床研究、疫学研究を遂行し、また
そのシステム作りや教育に貢献できる人材の育成を図ることを目的とする。
B 応募資格
1. 薬物治療の臨床研究に従事、またはそれを志す医師及び医師以外の研究者(原則として40歳
以下)
2. 研修に必要な知識、経験および語学力を有するもの
3. 薬物治療の臨床研究が可能な研修施設あるいは研修コースにおいて2003年9月より1年間以上
2年間以内の研修が可能なもの
4. 日本臨床薬理学会会員であること(応募時入会可)
5. 帰国後、臨床薬理学領域の活動を継続する意思のあるもの
C 締め切り:2003年5月末日

 

問い合わせ先 日本臨床薬理学会海外研修事務局
〒113-0032 文京区弥生2-4-16
FAX:03-3815-1762
E-mail:clinphar@jade.dti.ne.jp
学会ホームページ:http://www.jade.dti.ne.jp/~clinphar

 

学会事務局からのお願い

学会事務の円滑化のため以下のお願いをします。会員諸氏のご協力をよろしくお願い申し上げます。

  1.2002会計年度 (2002.1.1 - 2002.12.31) の会費納入のご連絡を近々致しますので早めの対応をお願いします。その際、発展途上国援助のご寄付にもご協力下さい。なお、会費納入期限 (2002.3.15) までに会費の納入がありませんとBiometricsなどの送付が停止されますのでご注意下さい。

  2.異動がございましたら学会事務局まで必ずご一報下さい。なお、国際会員(Biometricsを購読するB会員) の方の異動のIBS本部への連絡は日本の学会事務局を通じて行ないますので、新異動先の英文表記も合わせてご連絡下さい。

  3.2001年にBiometricsが届いていないなどの事故がございましたら、学会事務局までお知らせ下さい。

学会誌への広告掲載のお願

日本計量生物学会(柳川会長)の学会誌である「計量生物学」は年に2回刊行されております。
読者は医療・生物医学系の統計学専門家で、Circulationは約500部です。
広告の内容としましては、統計学関連の書籍・雑誌、統計ソフト、人材募集、会議案内などです。
掲載料は1回につき、B5版雑誌の1頁で3万円、半頁で2万円です。
今回から半頁の値段をこのように変更させていただきたいと存じます。

尚、お問い合わせは折笠秀樹:

E-Mail: horigasa@ms.toyama-mpu.ac.jp
TEL: 076-434-2281, ext.2450/2451
FAX: 076-434-5184

までお願い申し上げます。

 

事務局からのお知らせ

●お願い

 関連学会、会議、セミナーなどございましたら、ニュースレター編集担当委員までお知らせ下さい。 また、生物統計学の発展に資するもの、会員に有益であると考えられるものなどについての原稿等のご投稿をお待ちしております。原稿の送付先は以下の通りです。編集作業の都合上、できましたらEメールでお送りいただけますと幸いです。

広報担当理事 山岡和枝、折笠秀樹

原稿の送付先:

〒351-0197 埼玉県和光市南2丁目3-6
国立保健医療科学院技術評価部 
Tel: 048-458-6111 内線2719
Fax: 048-469-3875
Mail to: yamaoka@niph.go.jp