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会報 詳細【ニュースレターNo.75】 - 一般社団法人 日本計量生物学会

会報 詳細

ニュースレターに関するお知らせとお願い

前回のニュースレターですでにお知らせいたしましたように、本学会では、学会誌の質の向上に伴い 財政の見直しをする必要が生じて参りました。これについて前理事会ではニュース・レターの電子メール配信により郵送費削減を 図ろうという結論に達し、会員の皆様にご協力をお願いすることに致し、新理事会でもその方針が確認されました。

 現在、暫定措置として

1)ニュース・レターはホームページに掲載し、電子メールでは会員にニュースレターが掲載されたこととその目次を配信する、

2)電子メールで配信できない会員にはプリントアウトしたものを郵送する、という方式を1年間(2001年12月まで)

 つきましては、可能な限りメールアドレスをお知らせ下さい。また、メールアドレスの変更がございましたら、 メールにてお知らせ下さい。なお、理事会議事要旨、総会報告等は学会誌巻末にも掲載します。

 事務局のEメールアドレス:

    biometrics@sinfonica.or.jp

 皆様のご協力をお願い申し上げます。

日本計量生物学会会長  柳川 堯

環境と健康:統計科学からの挑戦」国際会議のご案内

不器用なデータ解析家による新世紀雑感


  貴男の専門は?と聞かれた場合、「統計的データ解析です」と答えると、通常、「?」という顔をされるか「応用数学ですか?」と聞き返されるのが落ちである。詳細な説明をするのが億劫なので、「そのようなものです」と返事をしてしまう。でも、正直なところ、適当なうまい表現が用意できているわけでもない。「統計的」はさておき、「データ解析」というキーワードは、「データ」+「解析」と分解できる。データそのものないしデータの背後にある現象実態の解明が目的ということでもない。一方、解析だけを取り出してしまうと、数理統計学、数値解析、その他のいわゆる数学的な学問分野を差し置いて、その方法の研究開発であると言い切ってしまえるかどうか心許ない。ということで、少なくとも自分の場合、「データ解析」を「データ」+「解析」と分解しないで、「データ」×「解析」とでもしておいた方が無難かと思っている。即ち、個々の固有情報を伴ったデータに対して、(泥臭いかもしれないが)その特性を考慮した解析法の研究開発を行おうという立場を取ることにしている。

  ところで、前世紀の末頃より「データマイニング」というのが流行っている(らしい)。古典的な統計学でのデータの位置づけは、母集団と標本の概念の設定を前提に、「母集団特性を把握するために抽出された標本の集合」とでもなるかもしれない。データマイニングでは、そのマザコンならぬしがらみを裁ち切り、もっと自由に、データに接し加工しそれから有益な情報を取り出そうというものらしい。しかし、母集団を意識しないで何を持って普遍的な知見としうるのであろうか。データそのものは、誰がどの目的でどのように解析されるかということと無関係に存在しうるものである。特別な思い入れなしにデータに向き合って、高度なコンピュータ技法を駆使し情報を取り出して、何が得られようというのであろうか。万一関心が眼前のデータの特性に限定されているという状況であれば、知見の普遍化も必要ない。しかし、そのような状況はほんとにあり得ることであろうか?いかにコンピュータの機能が向上しようが強力なアルゴリズムを用いようが、データが母集団特性の何を表現しているのかということについては、解析者(研究者)のそれ相応の思い入れが無いとその本質には迫れないのではなかろうか。いや、データマイニングの全てに異を唱えようというのではない。大容量データを効率よく解析するには、それ相応のアルゴリズムやシステムが必要であろう。なぜならば、大容量データは、その生成過程での管理の甘さ故の外れ値やノイズを伴う危険が大きいから。ところで、もう一つ流行っている(というか流行っていた)ものに、「ニューラルネットに基づく・・・」というのがある。人間の神経回路を単純化し数理モデル化したもので、簡単な構造を持っていて、癖の少ない汎用モデルとして非常に広いデータ解析の分野で使用されている。「なんでも器用にこなせる」、「専門的事前情報を特に要求されない」、「解析手順も定型的で特別な道具や準備が不用」などの扱いやすい特長を持っている。一見、オールマイティーな魅力を持った方法であるが、どこまで有用なのだろうか?

  コンピュータだけが知っているブラックボックス、意味は深く考えずともとにかく多くの試行錯誤による経験を積み重ねることで、問題が解けるようになる・・・何か詰め込み型受験勉強方式を彷彿させられる。ちなみにあまり学習をし過ぎると効力が低下する癖があるという。幸か不幸か今のニューラルネットは飛躍を伴うような思考ができない。(万有引力の法則は無理であろうが、うまく行けばケプラーの法則程度までには辿りつけられるかもしれないということらしい。)対処しうる統計的問題としては、いわゆる内挿の場合にのみ限られる。なぜならば、知見の普遍化という過程を経ていないから。「統計学やデータ解析の醍醐味は、外挿にある」というのはあまりにもロマンチィックな考え方かもしれないけど。

  もしも、飛躍的思考が出来て融通の利くコンピュータが登場したら、薄気味悪い。個人的にはコンピュータは実直な性格のものの方が付き合い易い。いや、融通の利くニューラルネットのほんとうの怖さは、それそのものの怖さでなくヒトがそれに頼ってしまって堕落し退化していくことにあるのかもしれない。とは言いつつ、自分自身、自動焦点方式のデジカメを愛用し、某ワープロの日本語変換に頼りきって文章を綴っている。ヒトはこの種の誘惑に弱いのかも。ニューラルネット(を応用したコンピュータやロボット)が利口になり融通が利くようになればなるほど、人間に近づき、「勘違い」、「誤解」までもしてくれるようになるであろう。ただし、彼(彼女)は最終責任を執ってくれそうもないが。結局のところ、不器用なデータ解析家としては、「融通が利かなくて少々木訥でも、何がどこまで分かっていて、まだ何が分かっていないのかということを、見分けることが容易な道具」を友として「データ」×「解析法」の世界を彷徨いたい、というのが本音である。

           
大瀧 慈(広島大学)


会長の一言

 会長を引き受けたもののまだマゴマゴ、事務局や役員の皆様に助けられて何とかやっています。会員の皆様にご迷惑をおかけしていますが、ご容赦下さい。
  4月5日、6日応用統計学会との合同年次大会が開催されました。熱がこもった発表と討論がつづき、21世紀の開幕にふさわしい、これまでの中で最高の大会ではなかったかと思っています。会員の皆様にとってはいかがだったでしょうか。
  学会の一つの重要な局面として、私どもが従事している計量生物を育て、仲間を増やし、その重要性を、私どもの貢献を通して社会に認知させ市民権をえるという、いわばプロフェッショナル組合という面があると思います。
  仲間を増やしましょう。まず、会員各自が、一人の新会員を増やすことから始めませんか。
  併せて、学会誌を足場に、私たちがやっていることを社会にアッピールしていきませんか。学会誌は原著論文の他、招待論文、総合報告、フォーラム、身の回りコンサルタントやで得た計量生物に関する事柄などを紹介する広場など積極的に載せたいものです。論文や記事をお寄せ下さい。
  計量生物学の発展を目指し、力を合わせましょう。


                                                                                  柳川 堯


日本計量生物学会2001年度総会報告

 2001年4月6日11時45分から、合同年次大会会場の総評会館で、日本計量生物学会2001年度総会を開催しました。総会参加者数34名、また委任状提出者が計100名で総会成立が確認されました。(2000年5月現在の本学会正会員数は356名であり、会則第19条1項より71名以上の参加で総会は成立。)会則17条にもとづいて、総会議長は柳川会長が務めました。以下に総会議事をまとめます。

1. 2000年度活動報告
2000年5月11,12日にお茶の水総評会館において、日本計量生物学会・応用統計学会合同年次大会を開催した。
  11月10,11日には富士教育研修所において第8回計量生物セミナーを開催した(生物の部のテーマ「生物学的諸問題への現代統計学的アプローチ/パラメトリック、ノンパラメトリック、計算機統計学」、臨床の部のテーマ「臨床評価における評価尺度の妥当性と信頼性/Q&A形式によるチュートリアル」)。また、11月16,17日に開催された第22回応用統計学会シンポジウムを協賛した。雑誌「計量生物学」は2000年第21巻を発行し、ニュース・レターはNo.70-73を発行した。Berkleyで開催された国際会議IBC2000において、途上国援助を実施した。学会のホームページを立ち上げた。2001-2002役員選挙を実施した。選出理事及び役割は本ニュースレターに掲載されている第1回理事会議事要旨を参照のこと。理事会、応用統計学会との統計関連連合大会実行委員会、合同年次大会のプログラム編成作業委員会を適宜開催した。

2. 2000年決算報告、会計監査報告
  椿美智子会計担当理事から、別紙決算報告にもとづいて収支の報告があった。続いて駒澤監事より、柳本監事とともに会計監査を行い、決算報告通りであったことが述べられ、拍手により承認された。

3. 2001年予算案
  椿美智子理事から、別紙予算案にもとづいて説明があった。予算案は拍手により承認された。

4. 2001年活動予定
  2001年度合同年次大会の開催(4月5,6日、総評会館)。10月12,13日に富士教育研修所にて第9回計量生物セミナーを開催予定。雑誌「計量生物学」は、2001年第22巻を刊行予定。ニュース・レターはNo. 74-77を刊行予定。国際会議「環境と健康:統計科学からの挑戦」の開催(8月30,31日、9月1日福岡ソフトリサーチパーク)。

5. 議題 
I. 学会誌投稿費用について
  学会誌の質の向上に伴い財政の見直しをする必要があり、その一つとして学会誌投稿費用を以下のように徴収する。
  *原著論文
   頁単価 2000円
   別刷り 50部は無料
   追加は1部100円
   但し、頁数が多い、写真が使われているなど特別なものについては、金額設定を編集理事に一任。
  *招待論文
   無料
II. 広告の掲載
  ニュースレターの広告廃止に伴い、学会誌に広告を掲載する。 
III. 2002年度合同年次大会について
  日本統計学会、応用統計学会と合同で開催する。
  以上3つの議題について、拍手により承認された。

6. その他
  ニュースレターの電子メール配信に関して、以下のことを確認した。
・ ニュースレターはホームページに掲載し、電子メールでは会員にニュースレターが掲載されたこととその目次を配信する、
・ 電子メールで配信出来ない会員にはプリントアウトしたものを郵送する、という方式を1年間(2001年12月まで)取る。


会計報告

2000年度決算報告
2001年度予算(案)


日本学術会議の報告

日本学術会議第4部会員 
統計学研究連絡委員会(統計研連)委員長 吉村功



  前回の報告でも述べましたが、これは吉村個人がお伝えした方がよいと判断した事柄を、まとめて記しているものです。不正確なところもあり得ますので、この報告に関して特に何かを問題にしたいときには、(私を含めて)統計研連の委員に確認の問い合わせをして下さい。委員は次の通りです。吉村 功、 角田文男、 大瀧 慈、 景山 三平、 竹村 彰通、垂水 共之、馬場康維、 柳川 堯、 渡辺 美智子、佐伯 胖、 松田 芳郎、 久米 均、 堀部 政男、 鈴木 和夫

1.統計研連 
  3月9日に委員会を開きました。 
  1)科研費のこと:今年も科研費「統計科学」の審査員候補を本研連で推薦することを確認しました。その詳細は、公開しない事項になっていますので省きますが、毎年、8~10人程度を候補として推薦することになっています。実際の審査員数はその半数で、どなたが審査員になっているのかは、任期(慣例では2年)が過ぎた後で公表されます。 
科研費については、毎年総額が増加しています。今まで「どうせ当たらないだろう」と考え
て申請を控えていた方も、どんどん応募して下さい。最近は、海外出張の旅費が支出できますから、頑張って国際的な会議に論文を申し込む腹を決めて申請をされることをおすすめします。 もし、周辺に申請経験者がいらっしゃらない場合には、研連の委員に申請のコツの助言を頼むのも一案だと思います。特に若い方は有利になっています。 

2)統計学関連学会の協調のこと:英文誌の共同発行、年会の同時開催、日中、日韓、アジア等の国際協調体制を、強化することを議論しました、総論としては、協調の強化に異論がないので具体化が求められています。今期(18期)になんとか、前進させたいところです。

3)統計学のフロンティアの拡大: 
  統計学が必要とされる他分野との積極的な交流を図るため、来年度にシンポジウムを開催するために、準備を進めることにしました。 

2.学術会議の第4部(統計研連委員長はここに属している)での話題 
  科研費の「統計科学」は現在複合領域に分類されています。この複合領域を再編成したいと文部科学省は考えているようです。 
  学術会議では、内部からの独自方針を立てるということで案が出てきました。昨年末から今年はじめにかけての議論では、統計科学は一般的方法論を語るという意味で、複合性があると大声で主張していたのですが、出てきた案は、「統計科学」を第4部に所属させようというものでした。 
  さあ、どう対応したらよいか、ということで統計研連の意見をとりまとめているところです。
(この報告は、この話しが出た瞬間に書いているので、)研連としてはまだ方針が定まっていません。 

3.総会での議論 
  4月1日から、日本では行政情報公開法が施行されています。いろいろなところで関連した法整備が必要となっていますが、学術会議でもそれが議論されました。一般論は煩わしいので、研連に焦点を絞って何が変わるかを書いてみます。 
  学術会議の運営内規で、「研連の会議は公開する(長は、ある条件の下で公開しないことが可能)」「研連の開催日時等を事前に適当な手段で周知に努める」「長は研連の議事要旨を作成し(させ)、閲覧の請求があった場合には、これを閲覧に供する」などが決まりました。 
  従って、もし傍聴したいということがあれば、発言等をしないというような条件の下で傍聴
ができることになりました。問題は、開催をどうやって周知させるかですが、過去の例でいうと、会議の場所や時間はたいてい直前に決まります。これからは学術会議のホームページ(http://www.sci.go.jp/)には、開催が決まり次第載せるということになりますが、それをいつもチェックしている人は稀だと思います。だいたいの開催が3月、6月、9月、12月といった、年4回くらいであることと、各学会選出の研連委員に問い合わせるのが速いこととを心に留めておいて下さい。 
  もう一つ問題になるのは議事要旨の公開です。研連委員は学会等から選ばれていますが、議論・意見はは個人として行っています。かなり率直な議論をしていますが、公開できるのは結論として決まったことだけになります。記述を簡単にせざるを得ません。関心のある方は、議事録を参照することより傍聴あるいは研連委員から直接内容を聞いていただく方が良さそうです。もちろんプライバシーや評価にかかわることは、非公開になります。文言の細部に研連委員自身が神経質にならざるを得ないという、やや煩わしいことが生じてしまうので、個人的にはしんどいなと感じています。 
  別の議題として、『21世紀における人文・社会科学の役割とその重要性――「科学技術」の新しいとらえかた、そして日本の新しい社会=文化を目指してーー』が採択されました。「科学技術の振興」ということで、自然科学が独走することに対する危惧の現れかもしれません。2004年度に学術会議との共同国際会議を開きたいという希望がありましたら、お知らせ下さい。(要点は、http://www.scj.go.jp/で分かります。)申請の締め切りは11月末ですが、準備がけっこう要りますので早めに話しを持ち出していただいた方が良いと思います。 


○2001年日本計量生物学会第1回理事会議事録要旨

日時: 2001年2月3日
場所: 筑波大学、茗荷谷校舎E棟1F第2会議室
出席者 柳川、岸野、上坂、栗原、佐々木、椿(広)、大橋、大瀧、折笠、岩崎、丹後、三中、
佐藤(俊)、柴田、丸山
欠席:後藤、酒井、椿(美)、山岡、吉村

議題
1. 当選人による連絡会議議事録要旨の確認
  承認された。

2. 理事辞退とそれに伴う対策について
  酒井弘憲理事から提出された理事辞退を承認した。
  安楽和夫氏(西南学院大学)を酒井理事に代わる推薦理事として承認した。

3. 3役の選出
  会長 柳川 堯
  庶務理事 丸山 祐造
  会計理事 椿 美智子、佐々木秀雄
を決定した。

4. 理事会の運営方針
  メール会議に関する1999-2000覚え書を2001-2002年理事会の運営方針として確認した。

5. 2001年合同年次大会について
  連絡委員会委員には、会長、庶務理事、会計理事、企画理事(年会2~3名)
プログラム編成作業委員会には、庶務理事、企画理事(年会2~3名)が出席すること、また任期は2001年1月からとすることを確認した。

6. 財政問題について
  収入増加対策、支出圧縮対策が提案され討議した。 
その結果、次のことを決定した。
* 収入増加対策
  ・会費未収金回収
  ・広告費収入(学会誌に広告ページを設置する。)
  ・会員数の増加
* 支出圧縮対策
  ・ジャーナル印刷費用の圧縮:
  現在の電算写植をコンピュータ写植に移行する。

7.ニュースレターについて
  ニュースレターはホームページに掲載する。従来ニュースレターに掲載していた理事会議事要旨、総会報告はホームページに掲載し、さらに学会誌巻末にも掲載する。e-mailで会員に、新しいニュースレターが掲載された旨の連絡をする。

8. ジャーナルについて
*雑誌の統合化(統計学会・応用統計学会・計量生物学会)は、検討を検討する。
*魅力あるものにするため和文レビューの増加を検討する。
* 投稿費用について
・original paperに関して、以下のように投稿費用を徴収する。
  投稿費用の頁単価 2000円
  別刷り 50部は無料
  追加は1部100円
  但し、頁数が多い、写真が使われているなど特別なものについては、金額設定を編集理事に一任する。
・なおinvited paper (official) は無料とする。

9. 計量生物セミナーについて
  10月12,13日、富士研修所で行なうことを決定した。

10. 2002年度合同年次大会について
  統計学会、応用統計学会、その他の学会と連合大会を開催することを確認した。

11. 役割分担のあり方、担当理事の選出
  担当理事を次のように決定した。
    学会誌編集             佐藤、三中
    ホームページ担当    山岡、折笠
    企画 年会                大橋、吉村
    セミナー(臨床)       岩崎、上坂、栗原、椿(広)
    セミナー(生物)       岸野
    組織                        柴田、丹後
    国際                        安楽、後藤、三中
    学術会議                大瀧

丸山 祐造 庶務担当理事


編集理事からのお知らせ

 2001年から新たに佐藤俊哉、三中信宏が編集担当として雑誌「計量生物学」の編集にあたることになりました。前編集理事の岸野洋久先生、越智義道先生、丹後俊郎先生、ご苦労様でした。
  編集方針は継続して「迅速な査読の実施」を目指しますので、会員の皆様の投稿をお待ちしております。
  なお、学会の財政赤字対策の一環といたしまして、論文掲載料をいただくことに2001年度第一回理事会、2001年度総会で決定いたしました。論文掲載料は、刷り上り1ページ2000円、別刷りは50部まで無料で進呈し、それ以上は1部100円とします。ただし、ページ数が多い、写真が使われているなど特別なものについては実費相当額とします。


第9回計量生物セミナーのお知らせ

○日時:2001年10月12日(金)午後~13日(土)午前
○場所:富士研修所(静岡県裾野市下和田656)
○参加費(「臨床」、「生物」とも):
     会員       18,000円
     非会員     30,000円
     学生       13,000円
  なお、参加申し込み時に学会への入会の意思表示をされた方は会員扱いとします。
○テーマ(仮題):
    「臨床」医薬品開発における薬物動態および薬力学の特徴づけと民族間の類似性
   「生物」Bioinformatics
  各テーマの概要は以下の通りです。なお、講演者と演題、および参加申し込み方法など詳しくは次号会報にてお知らせします。

【臨床】 医薬品開発の環境はICH-E5(海外データの活用に関するガイドライン)の施行にともない大きく変化してきた。日本の医薬品開発は、海外で開発が進められている新薬を日本に導入する場合が 多い。この場合には海外の主要な試験を日本の申請における主要な評価資料とすることができれば、日本で類似の試験を繰り返さないで申請することができる。そのためには一般には薬物動態ならびに臨床的有効性について、海外の試験結果との類似性(海外データの日本人への外挿可能性)の評価が重要である。このセミナーでは外挿可能性の議論の基礎として、薬物動態学の医薬開発における役割と民族間類似性の評価の方法、及び臨床的有効性における類似性の考え方と試験計画について 議論する。特に事例を交えて議論をしたい。



【生物】 生物の部ではバイオインフォーマティクスをテーマに取り上げます。数々の生物についてゲノム情報が整備されて来るにつれ、データベースから遺伝子やモチーフ、たんぱく質の立体構造に共通する特徴を抽出し、予測に利用することができるようになって来ました。比較ゲノムの考え方により、遺伝子の機能に関する情報を格段に広げる努力がなされています。ゲノム上に数多く配置されたマーカーとの連鎖の強さを測ることにより、病気関連遺伝子や有用形質決定遺伝子の位置を絞り込み、その遺伝メカニズムを推定する方法も充実して来ました。高度に多型なマーカーはDNA指紋として裁判にも用いられ、野生生物の群れ構造や植物の有効花粉飛散距離を推定するなど、保全生物学にも利用されています。また一方で、社会的重要性から数多くの配列が集積されて来ているインフルエンザウイルスやエイズウイルスを中心としたウイルスのデータは、時系列的に抽出されたもので、宿主適応のプロセスを知る上で貴重な情報を提供します。40億年前に生命が誕生してから現在に至るまでにゲノムに刻まれた進化の足跡は、恐らく私たちの予想をはるかに越えて奥深く、複雑に絡み合っていることでしょう。ゲノム情報科学、分子進化、集団遺伝と保全遺伝学、連鎖解析などゲノム情報から生物集団と遺伝構造を推測し、その進化の構造を捉える試みをできるだけ多面的に紹介したいと考えています。


「環境と健康:統計科学からの挑戦」国際会議のご案内

2001年8月30日-9月1日
     於 福岡ソフトリサーチパーク

 日本計量生物学会主催(日本統計学会、応用統計学会、日本計算機統計学会、社団法人環境科学会、日本リスク学会、日本トキシコロジー学会協賛)の国際会議が近づいてきました。高名な研究者が多数参加します。先端の研究、研究者にふれる貴重な機会を、お見逃しなさらな
いよう。日本計量生物学会の画期的な国際的事業に、万難を排してご参加、盛り立てて頂きますよう。
  海外からの招待講演者数名の横顔を紹介します。
★N.Keiding:前Interbational Biometric Society会長、精子数の減少を世界で始めて公表
★L.Ryan:前Biomerics誌(Short Communication)編集長、生殖・発生毒性データ解析分野の世界第一人者、ハーバード大教授
★P.K. Sen:ノンパラメトリック統計学分野で高名な理論的研究者、最近は環境統計学に視点をすえ、統計科学の新しい研究課題を積極的に推進
★C.Portier:NIEHSリスクアセスメント部長、ダイオキシン毒性評価モデリングの世界第一人者
★C.Richardson:最近、仏から英国Inperial School of Medicine疫学教授にスカウトされた階層型ベイズモデリングの高名な研究者、
★Byong-So Kim:韓国Biometric Society会長、変異原生試験データ解析に関する第一人者
★L.Edler:独がん研究所バイオ統計学部長として環境汚染物質の毒性評価研究をリード、国際計機統計学会会長として、計算機統計分野でも活躍
 
    http://www.math.kyushu-u.ac.jp/ISCEP/ 

詳細は、上記ホームページをご覧下さい。


関連学会のご案内

★ISI 53rd Session -- Seoul 2001 
  International Statistical Instituteの第53回大会がソウルで2001年8月22-29日に開催
されます。詳細はホームページをご覧下さい。
ISI2001のホームページ → http://www.nso.go.kr/isi2001/index.html


その他、関連学会、会議、セミナーなどございましたら、ニュースレター編集担当委員までお知らせ下さい。


広報からのお知らせ

広告掲載について

 2001年度から新たに、年に2回発行される雑誌「計量生物学」の中に、広告を載せることになりました。人材募集でも構いませんし、企業・商品・会議等の紹介でも結構かと思います。
  従来のニュースレターが廃止になることに伴い、そこに掲載していた広告を学会誌のほうへ移行するというものです。これまでご愛顧いただいておりました各位に置かれましては、今後も引き続きよろしくお願い申し上げます。
広告の掲載料ですが、1ページ当たり30,000円といたします。なお、毎号ごとに掲載料をいただくことになります。
お問い合わせか掲載希望の方は、広告担当の折笠秀樹(horigasa@ms.toyama-mpu.ac.jp, TEL/FAX 076-434-5182, 〒930-0194富山市杉谷2630番地 富山医科薬科大学)までお気軽に連絡ください。会員の皆様方におかれましては、当学会のために広告掲載を促していただける
と幸いでございます。

情報をお寄せ下さい

 関連学会、会議、セミナーなどございましたら、ニュースレター編集担当委員までお知らせ下さい。また、生物統計学の発展に資するもの、会員に有益であると考えられるものなどについての原稿等を、積極的にご投稿ください。原稿の送付先は以下の通りです。編集作業の都合上、できましたらEメールでお送りいただけますと幸いです。

 

原稿の送付先:
  〒173-8605東京都板橋区加賀2-11-1
  帝京大学医学部衛生学公衆衛生学教室
  山岡和枝
  TEL:03-3964-1211(内線2178)
  FAX:03-3964-1058
  e-mail: kazue@med.teikyo-u.ac.jp

本部オンラインシステムのご案内

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